デザイン思考のプロセスではプロトタイプを重視しますが、あらためてそのメリットについて。
ここでいうプロトタイプとは、3Dモック、製品スケッチにかぎらず、メッセージやイメージ、ストーリーボード、体験のロールプレイなど、アイデアや視点を表現する全てのものを指します。

●プロジェクトチームの相互作用や学習を促す
製品のプロトタイプはその制作プロセスにおいて、チーム内での理解の違いを相互認識できチームの結束を高めます。たとえば、同じ洞察、視点を共感したつもりのメンバーであっても、メッセージに仕立ててみるとまったく違う打ち出しを考えているケースがよくあります。お互いの視点、捉え方がどう違うのか、プロトタイプによって初めて表出します。

●ユーザーからの学習を促す
ユーザーが製品プロトタイプを使用している様子から、ユーザーが製品、サービスにどのような価値を見出しているのか、その考え、背景をすばやく把握できるようになります。短期間で仮説検証のサイクルを回すスプリントのケースでは、初日にユーザーへのデプスインタビュー、最終日に同じユーザーへのサービス体験テストを実施するというプロセスを組むことあります。ユーザーの製品サービスの好き、嫌いの背景にある志向や過去経験をセットで理解することでチームの理解、学習を促進します。

●部門間、経営陣との意思疎通を促
抽象的な考えを目で見て、触れるようにすることで、誰もがコンセプトを経験し、評価できるようなります。また場の空気をポジティブにし、どのようなフィードバックであったとしても、協調して推進しやすい状況を作ります。

いかがでしょう?
スタートアップ(資源の限られた小さなチーム)では当たり前のプロセスですが、開発プロセスが、合理化、標準化され、ステークホルダーも多い大手企業だからこそ享受されるメリットも大きいと思います。プロジェクトにかかわる時間とコスト、そしてエネルギーが適切にプロトタイピングに配分されていることもプロジェクト成功のポイントかもしれません。