2018年10月10日 bridgeが企画運営する中小企業コミュニティベンチャーズアカデミーと外部CTO.comのコラボレーションによるセミナー、「IoTサービス開発の失敗事例から学ぶ 中小企業の為の新規事業の勘所」を開催しました。おこしいただいた皆様ありがとうございました。

以下セミナーレポートです。

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こんにちは。株式会社bridgeの眞穂響です。

先日、10月10日に我々bridgeが運営する”VENTURES Academy”の第1回目のイベント「~IoTサービス開発失敗事例から学ぶ~ 新規事業開発の勘所」を開催致しました。

このイベントでは我々bridgeから代表の大長とディレクターの鈴木、そして共同主催していただいた外部CTO.comの荻原裕さんの3名が登壇致しました。

 

イベント内容は

・VENTURES ACADEMYとは何か

・過去の失敗事例から考えるIoT新規事業開発の勘所

・課題発見のプロセスについて

 

などなど。参加していただいた皆様が持つ何かしらの課題を晴らす鍵を持って帰って頂けるような構成を心がけました。このレポートでは、そのイベントの様子を運営側の視点からまとめていきます。

 

ー開催にあたりー

 

イベント当日、参加していただいた皆様には当日にお話しいたしましたが、今回このような無料セミナーを開く場合、その参加率は(経験則ですが)約5割。ですので正直なところ、イベント開催のその時まで何名ほど参加者の方が来られるかは全く見当もついていませんでした。

実際はなんとほぼ満員。

最終的には無料セミナーで、驚異の出席率80%超えです。途中からは会場の椅子が足りなくなってしまい、立ち見になってしまっていた参加者の方もいらっしゃいました。我々にとっては不測の事態だったわけですが、このことから我々の活動の指針が中小企業経営の方々にとって意義のあるものだと再確認する機会になりました。立ち見でご参加いただいた参加者様、そしてご参加していただいた皆様、天気も決して良くない中、足をお運びいただき心から感謝を申し上げます。

 

ーVENTURES Academyとは何か?ー

当イベント最初の内容、VENTURES Academy自己紹介。ここではbridge代表の大長が登壇。VENTURES Academyのコンセプトは、”事業を創る人をつくる”。大長曰く、長年コンサルティングに携わり、いろいろな職種・業種の方々の課題と向き合い、そこで気付いたことが、『それぞれの抱える課題の本質的な部分は職種・業種に関係なく同じ』ということでした。ではそれら”課題の本質的な部分”を共有できる場があれば、事業を創る人が別の事業を創る人を支え合い、また自己の成長を促す機会を提供できるのでは?という問いから、VENTURES Academyを発足致しました。VENTURES Academyは、事業創造のための方法論が学べる中小企業次世代リーダー、事業を創る人のための挑戦と探索のコミュニティを目指しています。

我々もまだどのような取組をしていくかは模索中ですが、ベンチャー企業、そして中小企業経営者の方々の中にもあるはずの、Venture’s Soulと寄り添えるよう努めていく次第です。

 

ー過去の失敗事例から考えるIoT新規事業開発の勘所ー

なかなか摑みどころのない存在、IoT。2人目の登壇者はそれを真っ向からぶった切るお方、荻原さんです。荻原さんはこれまでに様々な中小・大手企業の新規事業開発プロジェクトに参画し、多様な技術系中小企業と連携し事業開発支援を行うなど、その経験と知識には圧倒されます。

荻原さんは自らのIoTを用いた事業の幾つかの経験談、そしてそれらから学んだIoTを用いた新規事業開発の勘所について話していただきました。

荻原さんが紹介下さったIoT新規事業の失敗談の1つに、自らが関わった製品の話がありました。それはIoTを用いた在庫管理システムで、一見聞いただけでは成功談と捉えてしまうような話でした。しかし、それは失敗しました。その理由は「タダだったら欲しい」と言われてしまった、という極めて簡潔なコトです。つまり顧客の課題からではなく、IoTありき、技術シーズでものづくりをしてしまったのが失敗の原因だったのです。

保有シーズを無理やり使ってIoTといい、顧客の課題解決ではなく自分たちの仕事を作るために新規事業をスタートさせてしまうのがよくあるIoT失敗ケース。結局のところ技術シーズから、アイデア先行から入ってしまった新規事業というの上手くいきません。これに対し荻原さんは”IoTベースでものづくりをするのではなく、現状の課題解決にIoTが有効であるのであれば活用するということが大切“と述べられました。IoTとは実世界をデータ化し新たな価値を創出する仕組みではあるものの、そのプロセスは決して万能ではありません。IoTとはあくまで課題解決の1つの手段であり、それ以上もそれ以下もないということを認識することが大切です。

そしてさらに荻原さんは、最も重要な点として「“質の良い課題”を持つこと」が新規事業開発の勘所の1つであるとも述べられました。質の良い課題とは、顧客の持つ本質的な課題です。それについて詳しくは後の鈴木のトークにて解説します。

結論として新規事業開発の理想的なステップとしてはまず、「WHO」を決める。新規開発する事業の顧客は誰なのか、既存顧客なのか、地域の人々なのか、あるいは自分自身なのかをしっかりと決めた後、その顧客が持つ質の良い課題「WHAT」を捉え、どのように解決するかの「HOW」を考える、つまり「WHO→WHAT→HOW」の順に新規事業を進めるのが理想であるということです。”IoTを使って新規事業を始める”というような「HOW」から初めては技術シーズ・アイデア先行の考えになってしまうため、それでは上手く行きづらく、たとえ製品化・サービス化しても長続きしにくい。誰のために?何が課題なのか?の点を捉えて初めてIoTと向き合う準備が整うということが、これからのIoT新規事業開発の勘所であると荻原さんは話されました。

 

ー課題発見のプロセスについてー

荻原さんから、新規事業開発には技術シーズではなく顧客ニーズにフォーカスできるかがいかに重要かをお話し頂きました。IoTと新規事業の関わりは大体理解した。では、その顧客の抱える質のいい課題をどのように発見すればいいのか、という疑問が残ります。

当イベント3人目であり最後の登壇者、bridge ディレクター鈴木がその疑問について話しました。

そもそも質の良い課題とは何なのか。それは表面上の課題ではなく、それぞれの人間の本質的な課題です。ランニングシューズの購入を例に考えてみましょう。ある人はランニングイベントに参加するため靴を買う、またある人はダイエットのため、かっこいい靴で走りたいからなどなど、様々なニーズがあるでしょう。しかしそれらを突き詰めていくと、”ランニングを続けて健康を維持したい”という欲求のためにイベントに参加したり、ダイエットにトライしたり、かっこいい靴で自分を鼓舞していることがわかります。これが本質的な課題であり、質の良い課題です。現状見えている課題を掘り下げ、シンプルであり、かつ本質的な部分にこそビジネスイノベーションはあるのです。

では質のいい課題とはどこにあるのか?その答えはもちろん、顧客の中にしかありません。では顧客はその答えを提供してくれるのかというと、得てしてそうではないのです。なぜならユーザーも、自分が何が欲しいのかを理解していないからです。トークの中で鈴木はHenry Fordの名言を引用しました。”もし顧客に、彼らの望むものを尋ねたら、もっと速い馬が欲しいと答えていただろう”。これについて、顧客の本質的な課題とは何なのでしょうか?顧客は、速く走る馬が欲しかったのでしょうか?そうかもしれませんが、それは本質的な部分ではありません。この場合の本質的な課題とは、”速く・快適に移動したい”という、基本的な欲求でした。このように、課題発見の糸口というのはとても単純なものであるものの、見えない、というのが難点であり、それ故に企業は顧客に寄り添っていかなければいけないのでしょう。

そして、質のいい課題を発見したあとは、それを定義・展開・実現するまでは発散と収束を繰り返すというプロセスを描いたもので、この時間をいかに短くできるかというのが新規事業開発の難しいところ。VENTUERS Academyではその時間短縮法を今後提供していくと同時に、企業の方と共に新規事業を共創していきます。

 

ーセミナーを終えてー

セミナー終了後には懇親会を開催。セミナー後も多くの方に懇親会にも参加していただきました。皆様時間ギリギリまでネットワーキングを楽しんでいただきありがとうございました。

その際参加者の方から「失敗事例を知ることでIoTと新規事業開発の理解が深まった」や「自分の中のIoTへの考えと、答え合わせができた」などなど、様々なご意見を伺うことが出来、当イベントの手応えを感じました。

 

いかがだったでしょうか?当イベントの内容、雰囲気を少しでもお伝え出来たでしょうか?皆様にとってこのイベントが、皆様が抱えるなんらかの課題解決の手助けになれば幸いです。

VENTURES Academyの今後の活動にご期待ください。