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【ロジックツリー入門】視覚からアプローチする課題解決フレームワーク

日常生活や仕事の中で、様々な問題や課題に直面することがあります。そういった時、ただ漠然と考えるのではなく、論理的に構造化して把握することが大切です。
ロジックツリーはそのための優れたフレームワークです。

ロジックツリーを作成することで、問題の本質を発見し、適切な解決策を導き出すことができます。

ロジックツリーとは

ロジックツリーは、問題の原因や具体的な解決策を見つけるためのフレームワークです。抽象的な問題を、樹木の枝分かれのように具体的な要素に分解し、階層構造として整理します。

今回は、そんなロジックツリーの具体的な使いかたと注意点について説明していきます。

ロジックツリーを作るメリット

ロジックツリーを作るメリットは、大きく分けて3つあります。

1.課題の原因を発見できる

ロジックツリーは問題を階層的に分解することで、表面的なことだけでなく、その背後にある根本原因を明らかにします。多角的な要因を洗い出すプロセスを通じて、問題の本質的な原因が視覚的に識別されます。これは、それぞれの問題に対する具体的な解決策を考える際にも役立ちます。

2.アクションの優先順位をつけやすい

全ての問題や課題に対してリソースを等しく配分するわけにはいかないため、何に焦点を当て、どのアクションから手をつけるべきかを考えることが重要です。ロジックツリーは、各要素の重要性と緊急性を評価しやすくし、正しい優先順位づけを可能にします。

3.話し合いを効率的に進められる

ロジックツリーはチームメンバーや関係者間のコミュニケーションを円滑にし、認識の齟齬を減らす効果もあります。問題やプロジェクトの各要素を書き出すことで、全員が同じ情報をもとに討論を進めることができます。これにより、チーム全体が協力してプロジェクトを前進させることが可能になります。

4つのロジックツリー

ロジックツリーには4つの種類があります。

・要素分解ツリー(Whatツリー)
・原因追求ツリー(Whyツリー)
・問題解決ツリー(Howツリー)
・KPIツリー

それぞれ詳しく解説していきます。

○要素分解ツリー(Whatツリー)

問題やアイディアを具体的な要素に分解するためのツリーです。
例えば、「乗り物」というテーマでWhatツリーを作成すると以下のようになります。

Whatツリーは、ブレインストーミングや企画立案の場面でも役立ちます。

 

○原因追及ツリー(Whyツリー)

問題の根本原因を特定するためのツリーです。「なぜその問題がおきたのか?」と掘り下げていくことで、適切な対策を立てることができます。
例えば、「早起きができない」という問題があった時に、以下のように分解し原因を考えていきます。
このように原因追及ツリーを作成することで、「早起きができない」という問題の根本的な原因を特定し、効果的な解決策を考えることができます。

 

○問題解決ツリー(howツリー)

目標達成に必要な一連の行動を明確にするツリーです。解決したい問題に対して、改善策を挙げるのに有効です。例えば、「体力をつける」という目標を設定した際は、以下のように分解し、効果的な施策を考えていきます。



このように問題解決ツリーをつくることで、目標達成のために取るべきアクションを明確にすることができます。

○KPIツリー

KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、目標達成の度合いを計る指標のことを指します。KPIツリーは、組織の目標(KGI:Key Goal Indicator)実現に向けて重要となるKPIを体系的に設定するためのフレームワークです。戦略策定の場面で大いに役立ちます。
目標達成には様々な取り組みが必要ですが、KPIツリーを活用することで、その取り組みと目標達成をつなげる重要な指標を明確に定義できます。つまり、目標達成の道筋とKPIを関連付けて可視化し、戦略の実効性を高めるツールなのです。



KPIは経営や事業の重要な尺度です。KPIツリーを活用することで、組織の目標達成に向けた戦略立案とPDCAサイクルの実行がスムーズになります。

有効なロジックツリーを作成するためのコツ

具体的な課題解決策を生み出したり、問題の原因を発見するためには、ロジックツリーを作るときにいくつか注意しなければならないことがあります。

1.MECEを意識する

ロジックツリーを作成するときに、「MECE(ミーシー)」を意識することが大切です。MECEとは、”Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive”の頭文字をとった言葉で、「互いに重複せず、全体として漏れがない」ことを意味します。ロジックツリーを構築する上で、この原則を守ることが大切です。

2.行動になるまで掘り下げる

ロジックツリーの終端には、具体的な行動や施策を記載する必要があります。結論や解決策が漠然としたものに終止すれば、それ以上の具体化やアクションにつなげられません。
ロジックツリーは5階層以上まで掘り下げると、より良い分析が可能になると言われています。実行可能な行動まで掘り下げることを意識しましょう。

3.論理の流れを一本の線で繋げる

ロジックツリーを作る上で大切なのは、論理の流れが途切れずに一貫していることです。つまり、質問から答えへ、原因から結果へ、と論理が自然と繋がっていかなければいけません。ロジックツリーを作る際は、常に「親の箇所から論理的につながって、子の箇所が自然に導き出せるのか?」を確認しながら、一貫した論理の流れを意識することが重要なポイントになります。

さいごに

ロジックツリーは、問題解決に役立つだけでなく、プロジェクト推進やアイデア発想の場面でも活用できるツールです。要素分解ツリー、原因追及ツリー、問題解決ツリー、KPIツリーの4つのタイプを使い分け、MECEの原則を意識し、論理の流れを大切にすることで、より分析力の高いロジックツリーを描くことができます。

 

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