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間違いだらけのリーンキャンバス -フレームワークの本当の使いかた –

2020.08.24

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事業開発は泥臭く、困難なことの連続ばかり。事業開発の手法や成功事例の情報にもアクセスしやすくなった昨今「どんな事業をするのか?」よりも「どう事業をするのか?」といったHowの部分にこだわることが多くなった気がします。Howの流行り廃りに流され、目的を見失い、フレームワークって使えないといった手段の良し悪し論争が様々なメディアで起こっているようにも感じます。

フレームワークは何のために使うのか?

あくまで手段なので、つかわなくても良いはずです。整理しやすい、再現性、可視化、コミュニケーションなど動機は色々あるかと思います。たとえば整理目的だけだと、フレームワークの項目を埋めて出来た感を味わって終えるそんなことが多いように感じます。

ここでフレームワークの定義を紹介します。
フレームワークとは、以下の3つのセットで、対象内の問題解決や意思決定を行いやすくしたテンプレートのことです。

  • beliefs  フレームワーク内で正しいとして信じている事物
  • ideas  概念。フレームワーク内の用語の定義
  • rules     規則や法則。フレームワーク内で有効な手順やメソッド

※対象内の問題解決をするために、正しいと思う理論(belief)を齟齬が生れないような言語の定義(idea)で再現性のある手順(rules)に落とし込んだ枠組みがフレームワークであると言い換えることもできます。

事業開発のためのフレームワーク活用は整理ではなく、頭の外にだして全体像を俯瞰すること、他者とディスカッションするための叩き台という意味合いがもっともしっくりくるのではと考えています。そのため、目的達成のためにフレームワークがもつbeliefs,ideas,rulesという手段の本質を捉えて活用することが重要です。

本質をとらえたリーンキャンバスの書きかた

今回は事業構想によく使われるリーンキャンバスをとりあげて各項目を解説していきます。

リーンキャンバスとは

リーンキャンバスは9つの項目でビジネス構造を俯瞰するフレームワークです。ビジネスモデルキャンバスの派生版で、顧客視点を強化したフレームワークになっています。
ビジネスモデルキャンバスについてはこちらから

リーンキャンバスを活用することで9つの制限された視点でビジネスの全体像を可視化し、他者とのコミュニケーションを円滑化し、事業の検証サイクルを早めることが可能になります。
リーンキャンバスの書くコツは以下3点。

①一気に描く

②空欄OK、各項目の正解・不正解にはこだわらない

③いつ時点かを明らかにする

それでは、各項目について解説していきます。

1. 課題

事業の土台は課題解決。解決すべき課題について書きましょう。その課題の代替手段も考察すると課題をよりとらえやすくなります。課題を上手く捉えられないという方にはジョブ理論がおすすめです。人は特定の状況でジョブ(課題)を解消するためにサービスを雇うというジョブ理論のとらえ方は本質的な課題を探求するために有用です。

2. 顧客セグメント

その課題を抱えている企業・人を考察します。ざっくりとしたセグメントだけではなく、最初にお客さんになってくれそうな人(アーリーアダプター)を具体的想像できる人物像として描くことが大切です。

3. 独自の価値提案

課題に対する提供価値を記載します。最大のポイントは何か?顧客がお金をはらいたい価値なのか?を考えます。

4. ソリューション

価値提供の形態を記載します。商品の機能や特徴についてのアイディアをまとめます。課題の検証フェーズでは課題そのものが正しいか検証できていないため、詳細にこだわる必要はありません。

5. チャネル

顧客にリーチするチャネルを記載します。スタートアップ時は最初の100人(アーリーアダプター)にリーチする安価なチャネルについて考えましょう。

6. 収益の流れ

売上形態を考えます。合わせて大まかな市場規模を類推します。顧客数と課題解決に費やしている現状コストから算出することが可能です。どの規模の市場を狙うのかを明かにします。

7. 主要指標

ビジネスを評価するための指標を記載します。活動評価の基準を設定する意味あいもありますが、ビジネス成功のためのKPIは何か?も探求していく項目です。目標を定めるためにも現時点での指標を数値で設定することがポイントです。

8. コスト構造

ビジネス活動のために必要なコストを記載します。特に初期費用の大きな投資が必要となるビジネスアイデアの場合は重要な要素になります。

9. 圧倒的な優位性

競合に対する優位性(強み、差別化ポイント)を記載します。競合を知り、自社のポジショニングを明確にしましょう。
例えば、既存のチャネルやネットワーク、内部情報や顧客基盤などが優位性に成り得ます。これは事業を拡大していく段階で重要な視点なので、アイデアを着想した段階で埋められなくても構いません。

 

リーンキャンバスの陥りやすい間違い

すべての項目を埋めなければならない、各項目の正解・不正解にこだわる

リーンキャンバスは検証を重ねてブラッシュアップしていくものです。そのため、各項目の真偽にこだわらなくて良く、すべての項目を埋める必要はありません。事業の土台である誰(顧客セグメント)の課題に対してどんな価値提案をするのかの項目は必ず埋めましょう。

いつの時点を思い描いているのかがわからない

リーンキャンバスの注意点はいつ時点の計画かを考えることが重要です。ビジネスフレームワークの多くは時系列の概念を表記する項目がなく、ある地点でのキャプチャであることが多いため、時系列を意識をして活用することが重要になってきます。リーンキャンバスで纏めた構想の売上、コスト、KPI、ソリューションの形態は3か月後の姿なのか?というようにいつの時点の構想なのかを考えて描くことが重要になります。時系列を意識して基準を設定することで上手くいっていない事業がずるずる続いてしまうことを防ぎます。

みんなで一つのリーンキャンバスをつくる

組織で動いているとメンバー全員で0から一つのものをつくるということもあるかもしれません。全員合意しているという安心感があるかもしれませんが、総意はおもしろくないアイディアになっている可能性もあります。成功したと言われている事業を紐解くと誰か一人の熱に共鳴しているケースが多いです。まずは徹底的に個、一人で素案を生み出し、検証を通じて洗練させていく使いかたをおすすめします。

リーンキャンバスを補完するフレームワーク

ビジネスフレームワークを単体で活用することは制限された視点で短時間でまとめることができるという側面がありますが、足りない視点があるのも事実です。そこで、リーンキャンバスを補完するフレームワークを紹介します。

ビジネスを取り巻く環境の視点はPESTで

考えついたビジネスは法律上、問題ないのか?などビジネスは自社でコントロール不可能な外部環境の影響を受けます。政治、経済、社会、技術の4視点を加えることでリーンキャンバスで構想したビジネスに影響を及ぼす外部環境を考察できます。

業界構造、競合の視点は5Forces

リーンキャンバスにおける競合考察は課題の代替品、優位性を埋める際にある程度考える項目です。ただ、競合だけではなくステークホルダー、台頭勢力などビジネスに影響を及ぼす各要因があり、新規参入の難易度や売上利益の立てやすさいった業界特有の構造が存在しています。イノベーションは既存の暗黙知を疑うところからスタートすることでもあります。そのため、現在の業界構造を理解することが闘うためには重要になってきます。
自分たちの競合は誰なのか?
その業界の収益構造はどうなっているのか?
勝負しやすい業界なのか?
といった業界構造を5つの観点から考察する5Forcesを活用することをおすすめします。

「モノ」から「コト」に変化しているからこそリーンキャンバスを

リーンキャンバスを作成した後は外に飛び出し、アイディアの検証を行いましょう。
フレームワークで整理していると「この項目は本当に正しいのか」と不安になることがあます。
しかし仮説が正しいかどうかは誰にも分かりません。
検証を始めなければ間違いにも気付けませんので、勇気を持って外にでましょう!
フレームワークはアウトプットを作成してからがスタートです!

仮説と検証は非常に重要です。
特に現在のビジネスでは「モノ」から「コト」へ、プロダクト販売からサービス提供型に必然的にシフトしてきています。商品を提供したら終わりという関係ではなく、継続して顧客と関わりながら価値を提供し続けなければなりません。ビジネスに終わりはなく、スピード感を持って常に新しいチャレンジをし続けることが必要になっています。
リーンキャンバスは、アイディア整理・可視化→検証→学びといった挑戦の数を増やし、サイクルを高速化するための一助になるツールです。

フレームワークはつくっておわりではなく、つくってからがスタートという原則をおさえて活用してみてください。

\10.1  無料オンライン講座 開催決定!/

事業アイデアを磨きこめ!
事業発案者のための、アイデア壁打ち道場

新規事業開発のためのフレームワーク「リーンキャンバス」を用いて、参加者の皆様の新規事業アイデアをブラッシュアップするワークショップです。
本記事の著者 今井をはじめとする、弊社ビジネスデザイナーの助言、他の参加者からの追加アイデアなど、外部視点からのフィードバックを持ち帰っていただけます。

ぜひお気軽にご参加ください。

詳細、お申し込みはこちら

<著者プロフィール>

今井 雄大

ハードウェア設計会社エンジニアからWEBスタートアップ企業でマーケティング・セールス全般を経て、ソフトウェア開発会社の事業責任者として新規プロジェクトを進める。2018年10月にビジネスフレームワークを利用できるWEBサービスBizMakeをローンチ。2020年4月からbridgeに参画。「音楽やる感じで仕事する」が世界観のパラレルワーカー。仕事のほとんどはサウナですませる。

BizMakeでは、今回ご紹介したリーンキャンバスを使って、WEBでビジネスの要点整理ができます。他各用途に合わせたビジネスフレームワークを厳選していますので、是非お試ください。


bridgeは、オンラインで新規事業に求められるプロセスやコアメソッド、ケーススタディ、活用法までを一気通貫学ぶ研修プログラムも行っています。

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