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bridgeは、株式会社システムインテグレータと共催で、オンラインセミナー「アイデアソンで組織を成長させる方法~企画から開催までの進め方や効果を学んでOODAループを回そう~」を実施しました。
DX時代が到来して数年、多くの企業が持続可能な組織を目指して試行錯誤を繰り返しています。そのなかで特に活発化しているのが、社内外を問わずアイデアソンを開いて新しい発想を生み出そうという取り組みです。
しかしアイデアソンの企画・開催の経験がない組織も多く、イベントとして成功させられるか、既存事業の成長や新規事業の立ち上げにつなげられるか、といった不安が常につきまといます。
そこで本セミナーでは、アイデアソンの企画から開催、そして成果に結びつけるまでの進め方について、具体例を交えながらお伝えしました。組織の成長につながるアイデアソンの活用方法を学び、ぜひ実践してみてください。
株式会社システムインテグレータ 代表取締役会長 梅田 弘之氏
◆アイデアソンとハッカソン
アイデアソンは、特定のチームに対しチームでアイデアを出し、ブラッシュアップして提出し、優秀なアイデアを決めます。
一方ハッカソンは、特定のテーマに対しプログラミングし、完成したら提出して優秀なソフトを決めます。
・Ideathon : Idea + Marathon
・Huckthon: エンジニアやデザイナーのチームがひたすらHuck
Ideathon + Huckthon ⇒ Ideathon単独
◆オープンなアイデアソン
開催目的
1.関心・アピール(存在を知ってもらう、取り組みを知ってもらう、興味を持ってもらう)
2.お祭り・ファン作り
3.アイデアの募集
事例)
・5Gイノベーション・アイデアソン(岡山県主催、2022/3/11)
・農村インポッシブル~突き抜けたアイデアで新しいい農村を作る~(農林水産省/INPIRE主催、毎年4、5か所 で実施)
◆クローズドなアイデアソン
開催目的 ~社員の発想でイノベーションを起こしたい~
1.DXや新規事業企画を生み出す
2.社員の企画力、発想力の強化
3.デザイン思考あふれる社風形成
事例)
・『花王、全社員4万人で新事業議論 専用チャット開設』(日本経済新聞、2021/9/29)
・『イノベーションを生む企業文化の醸成』(味の素グループ、2020/9)
◆一人一人発想を引き出すアイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」
機会:誰でも「発想会」を簡単に実施できる 「Gardening」
手法:ヒントでインスピレーションを湧かす「Hints Method」
仕組み:アイデアを蓄積・共有・育成できる「Garden Board」
◆本気で社員のアイデアをイノベーションにつなげるために (5つのメソッド)
1.アイデア発想の機会を提供する
any time(いつでも)だと no time(時間がとれない)
2.アイデア発想法を提供する
「ただ、考えろ」と言って出てくるものではない
0 to 1で発想する手法を学び、訓練する
3.アイデアを蓄積・共有する
せっかくのアイデアを流してしまうのはもったいない
芽が出るのに数年かかる種もある
4.アイデアを種の段階からみんなで育てる
自分で出すのは苦手でも、サポートが得意な人は多い
5.ポジティブマインドで壁打ちする
壁打ちなしで事業化できるアイデアはない
◆アイデアソンのビジネス活用
【オープン】
マーケティング:知ってもらい、関心を持ってもらい、ファンを増やす
アイデアを公募:自分たちで気付けないアイデアやヒントを得る
【クローズド】
~社員発想でDX時代を勝ち抜く~
・新事業、新製品などイノベーションのアイデアを出す
・既存事業、既存製品をよりよくするアイデアを出す
・販売促進、CS向上、SDGSの取り組みなど、よい方法をみんなで考える
・生産性向上、品質強化、業務効率UPなど、業務カイゼンをみんなで考える
日本中でアイデアソンが開かれ、デザイン思考あふれる国家にしたいです。
株式会社bridge プロジェクトデザイナー 2030SDGs公認ファシリテーター
(株式会社NTTデータ イントラマート 経営戦略室 グループリーダー) 七島 泰介
◆アイディエーションに関する考察
「新規事業あるある カルタ」から見る「アイディエーションのあるある」
「イノベーションに取組む人と組織を支援」をテーマに、新規事業創出を統合的に推進しているbridge。個性豊かなメンバーと、日々内なるイノベーターの発現を促進し、イノベーション組織への変革を支援しています。
そんな中で、それぞれに感じてきた新規事業への思い。企業内の新規事業を伴走してきた中で見えてきた、イントレプレナーの「新規事業あるある」ネタを、メンバー全員で考えてみました。
『気づいたら 既存事業の いち機能』
→新規事業として考案するも、「既存事業の枠組みでできないのか」と言われることがあります。これも一つのグッドチャレンジと思えないと、新しいことが生まれません。
『調べたら たくさんあるよ 同じやつ』
『類似する サービス発見 意気消沈』
→調べれば調べるほど世の中に似たような事業が山ほどあり、類似サービスがみつかるとモチベーションが下がることもあります。今までにないアイデアを求めてハードルをあげてしまいがちですが、新規事業を行っていく上で全く競合がいないのも危ないサインだったりします。市場を確認できたり、既存サービスが抱えている課題を見つけて切り替えしていくこともできます。他のサービスが見つかったら終わりという訳ではないと捉えましょう。
『無理ゲーです うちの会社で toCは』
『若手向け 企画の判断 還暦者』
→歴史のあるBtoBの製造業ほどtoCサービスに憧れをもっていますが、まったくビジネスの行動原則が違うため、実は難易度が高いです。また、若い人向けの企画を判断しているのがシニア層の上司のことが多く、ギャップがあります。どういった基準で判断するのか、何が価値なのかがハッキリしていないと、現場とズレが生じてしまいます。
『次は何? 採択してから 進まない』
→社内ビジネスコンテストで優勝してお墨付きをもらったものの、次に何をしたらいいのかわからずプレゼンで終わってしまいがち。その後の設計や資金のサポートができておらず、年々と提案数が先細っていくケースがあります。
・いきなり企画級のアイデアを期待している (評価者・事務局・起案者の目線が合っていない)
・自分たちの強み、得意技の活かし方を知らない (ex.強み:ブランド)
・とりあえず、アイデアコンテストをやっている(ふりをしている) (事業化プロセスが定まっていない⇒やる気搾取⇒提案件数減)
実は、うまく取り組めている企業は少ないのです。
アイデアは「既存要素の組み合わせ」で出来ています。
参考:図解「アイデアのつくり方」
「IDEA GARDEN」とは、参加者全員でアイデアを発想・育成できる仕組みです。
<IDEA GARDENの良いところ>
・いきなりアイデアではなく、ヒントをみんなで考える過程が楽しい (参加者がどんなことに興味関心を持っているのか知ることが出来る)
・アイデアがSTEP by STEPで成長していく過程が非常に興味深い (いきなりリーンキャンバスを描く→空いている項目をただ埋めようとする)
・コメントやいいね、が勇気を与え、アイデアを具体化する手助けになる (同じ思いを持つメンバーやナレッジを持つメンバーを見つけることに貢献)
IDEA GARDENを使ってワークショップをやってみました。
MIJS 新事業企画PJ「アイデア創出ワークショップ」では、MIJS会員企業 10社18名が参加しました。
5チームに分かれてアイディエーションを行い、3時間で10個のアイデアが生まれました。
参加者からも「ヒントが続々と出てくる様が壮観だった。自分の発想にはないアイデアに触れられた」、「最初から「リーンキャンバスを埋める」という流れではなく、ちょっとずつ項目を埋めていくような流れでやりやすかった」という具体的なフィードバックをいただきました。