京セラ株式会社では、社員の新規事業アイデアを募集・事業化する取り組み「スタートアッププログラム」を2024年にリニューアル。bridgeは、インナーブランディングを支援する株式会社ソフィア様とのワンチーム体制で、参加者への方法論・マインドセットの学習機会の提供と、各起者の実践への個別伴走を担いました。
2025年12月には社内の最終審査(社長答申)が行われ、事業化に向かう2チームが選出されています。
京セラ様のスタートアッププログラムは2019年に開始され、その後2021年のリニューアルで形を変えていました。今回の2024年のリニューアルでは、部門や職層を問わず全社員が挑戦できる一斉応募型の制度を改めて再構築することが目的のひとつでした。
事業アイデアを出す人だけでなく、その挑戦をどう組織として支えるか。アイデアを選抜した後、どう事業化まで並走するか。プログラム全体の設計と運営を、京セラ様事務局・ソフィア・bridgeの3者で議論しながら組み立てていきました。
bridgeは、参加者に対する 方法論・マインドセットの学習機会の提供と、各参加者の実践への伴走 を担当しました。
意識したのは、一方的なティーチングにせず、参加者と同じ目線で挑戦に向き合う味方として接することです。問いかけ・ディスカッション・フィードバックの比重を高め、学習の場そのものを「参加者が自分の思考を動かす場」として機能させることを意識しました。
そしてそこで得た方法論・マインドセットを、参加者それぞれが自分のアイデアに向き合う実践のプロセスで、個別の伴走としてサポートしました。現場では、「個別伴走の枠がすぐに埋まってしまう」 という状況が生まれていました。参加者の皆さんが、それだけ「話したい・聞きたい」という状態にあったということです。
伴走の中で重視したのは、挑戦者の「止まり方」を観察することです。
新規事業の現場では、挑戦者自身が明確に「できない」と言うわけではなく、もやっとする、納得感が薄い、行動が起こせないという状態に陥ることが多くあります。bridgeでは、こうした状態に直面した時に、その止まり方が「CAN NOT(構造の詰まり)」なのか「WILL NOT(意味の欠如)」なのかを見立てて、介入の仕方を変えています。
どちらの状態にいるかで、伴走者としての関わり方が変わります。参加者の気持ちに共感しながらも、適切なタイミングで背中を押す。そのバランスを見ながら並走しました。
(「止まり方」の見立てについては、こちらの記事で詳しく書いています)
このプログラムでもうひとつ鍵になったのが、京セラ様事務局との運営連携です。
事前に設計したプログラム内容は、走り出してからも社内の状況や参加者の状態に応じて柔軟に軌道修正していきました。参加者に一度伝えたことを変更する葛藤もある中で、事務局としてより良いプログラムにするための判断を重ねていかれた京セラ様の姿勢に、bridgeとしても伴走者として全面的にサポートする姿勢で関わりました。
ソフィアはインターナルコミュニケーション領域の専門性から、bridgeは新規事業領域の専門性から、それぞれの視点を持ち寄りながら事務局と議論を重ねる。この3者の関係性が、プログラムの柔軟な運営を可能にしていました。
ご支援を通じて印象的だったのは、京セラという組織が持つ総合力です。幅広い分野の有識者・専門家が数多くいて、どの分野であればどの部門につなげればいいという組織力。これは大きな組織ではなかなか活かしきれないことですが、このプログラムでは挑戦者の周りにその総合力を集める動きが確かに生まれていました。
参加者が手を挙げたとき、それを支えようとする人たちが京セラの組織のあちこちにいる。ルールや仕組みが整っている中でも、挑戦者の周りに自然と支援者が集まっていく。その動きこそが、京セラの総合力の実態でした。
社長答申を通過した2チームは、これから本格的に事業化に向かって進んでいきます。
bridgeは引き続きソフィア様とのワンチーム体制で、通過者一人ひとりの挑戦に寄り添いながら、これまで以上に深く京セラ様の社内風土・組織に入り込んだ支援をしてまいります。新規事業プログラムは、通過者を選ぶところがゴールではなく、通過した事業が組織の中で育っていく環境をどう整え続けるかが本番です。
京セラ事務局の皆さま(Sプロジェクト部 福住様・今西様)が、リニューアルからの2年間をどう振り返っているか、プログラム運営の中での葛藤や手応えについて、株式会社ソフィア様のインタビュー記事で詳しく語られています。
株式会社ソフィア お客様インタビュー Vol.35 「京セラ株式会社:新規事業創出プログラム支援 ワンチームでアイデア応募参加者に寄り添う