project

プロジェクト

サービス開発を通じて人材を育成するソフィアの取り組み

サービス開発を通じて人材を育成するソフィアの取り組み

課題

新規事業を生むための手法、マインドセットの習得と新事業につながるアイデアの探索

bridgeがしたこと

サービスアイデアの発想、課題の特定、ソリューション検証を含む全5回のセッションを通じてアイデア創発をサポート

成果

当セッションから生まれたアイデアが実サービスとして具現化。サービスプロトタイプの実証実験へ

やりがいとイノベーションが生み出される組織風土作りに貢献することをビジョンに、これまで数々の企業におけるコーポレートコミュニケーションを支援してきた株式会社ソフィア。この度、2019年9月1日(日)に、東京都港区麻布十番のソフィア本社にて、職場における「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」に気づくことを目的とするワークショップ、「REVERSE(リバース)」を開催しました。

bridgeでは当企画の構想を、全5回のアイデアセッションを通じて支援させていただきました。このアイデアがどこから着想を得て、どのように推進されていったのか。株式会社ソフィア 森口 静香さん、並びに「REVERSE」ワークショップの発案者である、同社の岡田 耶万葉さんにお話を伺いました。

株式会社ソフィア
森口 静香 さん

同社「REVERSE」ワークショップ 発案者
岡田 耶万葉 さん

メディア向けコンテンツ制作に代わる、新サービス開発の必要性

森口さん(以下、森口):私たちはコーポレートコミュニケーションを支援するのが中心の会社で、元々メディアのコンテンツを作る機会がたくさんありました。数年前までは、それが会社の主力事業だったわけです。ただ近年になると、インターナルコミュニケーションに対する外部からの注目度が高まったことで、これまでまったく別の事業をしていた企業が参入してきて、特にメディアのコンテンツの世界で競合が一気に増えたんです。

例えば、大手の代理店や印刷会社が競合となったことが影響して、当社の主力事業のボリュームが下がっていきました。そんな中で、この事業体で新しい価値をどうやって生み出していくのかを社内で話し合った際に、みんなが『新規事業をやってみたい』と言ってくれたんです。

森口さん

『じゃあやろう!』と。ただ、自分たちだけでやるのではなく、外部の視点が必要だとも感じていたんですね。その理由の一つとして、自分たちが普段お客様に提供しているサービスと比較的似たサービスを、今度は自分たちが実際に受けてみることで、お客様の気持ちや感情を体感したかったということがありました。それから、岡田のような若手が新しいことを強制的にやってみることによって、何か気持ちの変化とか、進歩のきっかけになるんじゃないかと思ったんです。メンバーにとって、何か大きな経験になってほしいという期待もあり、bridgeさんにサポートを依頼しました。

岡田さん(以下、岡田):最初は、正直、すごく嫌でしたね(笑)。元々、社内でも、そうした新しい事業のアイデアが出てくることはよくあります。ただ、『何かやろう!』という声掛けはあっても、実際に進めるという段階になると失速していくことが多いように感じていました。多分、私自身、社内の人から提案を受けても、『そうですね』『いつかやろうね』と返して、流していたと思います。新規のサービス開発とか、何かを0から生み出すようなことは、苦手に感じていた部分もあったので。

ただ今回、きっちり宿題があって、ある程度の期間を掛けて、私だけではなくみんなで一緒に取り組むという、事業開発に対して正面から向き合う機会をいただきました。今では、真剣に考える場を設けていただけて、貴重な経験を積むことができたと思っています。

漠然と考えていた『演劇をビジネスに活かす』方法を、実現するには?

岡田:bridgeさんの研修の最初に、新規事業開発を考える上のポイントとして、『社会の中での課題と、自分のやりたいことの重なる点を見つける』ということを教えていただきました。社会の課題から入るのは難しいなと感じたので、私はまず自分のやりたいことを考えました。
実は、私は学生時代に演劇をやっていて、入社の際も『演劇を使った事業をやりたいです!』というプレゼンをしていたんですよね。いつか、そういうものをやりたいなと漠然と思っていたので、じゃあ『演劇で解決できる課題は何だろう?』と考えた時に、自分の身近な友人たちから聞いた話を思い出したんです。

それは、例えば、就職した先の会社で女性だからという理由で仕事を取り上げられたり、宴席でお酌を求められたりと、日本企業の実情が全然変わっていないという現実でした。友人たちと話をする中でいろいろなことを知り、かなり衝撃を受けました。女だから・男だからと、仕事が無意識に割り振られるような文化が、未だになくなっていないことが疑問というか。今の世の中、『働き方改革だ! ダイバーシティだ!』と盛んに言われて久しいわけじゃないですか。それでも現場が変わらないのは、どうしてなんだろうと思ったわけです。

ただ、いざこの現状を変えるとなった時に、研修やセミナーを聞くだけで終わってしまうので果たしていいのか?頭では分かっているつもりだけれど、結局のところ、実際の行動の変化は起こらない。社会は変わらないように感じたんです。

でも、そこに演劇という要素を取り入れたら、もっと体感を通して理解できることがあるんじゃないかと考えました。誰かに対して自分が言ってきたことや、やってきたことを、自分の身を以て感じられるサービスを作れたら…。そうすれば、カルチャーの変革に対する必要性をもっと理解してもらえるんじゃないかと思ったことが、今回の企画を考案したきっかけですね。

岡田:今回私が提案したのが「イマーシブ」という没入型の演劇と、「インプロ」という即興の演劇を用いたワークショップだったので、それぞれの分野で専門の方たちを訪ねました。『こんなことをやりたいんですが、どう思いますか?できると思いますか?』というところから話を聞いて、実現させる上での課題などについてフィードバックをいただきました。また、『もし実現した際には、ご協力をお願いします』と依頼した時には、どちらの方もすごく前向きで、快く了承いただいて、本当に嬉しかったです。

「無意識の思い込み」に気付き、多様性を自分事として捉えるには?

岡田:具体的には、先ほど話した演劇の専門の方々と私を中心にして、コンテンツの中身を作っていきました。それから「アンコンシャス・バイアス」について、当初は一切知らなかったので、それについても勉強しました。これは、無意識の偏見や思い込みを意味する概念ですが、過去の自分の経験や周囲の意見、日々接する情報に影響されて、本人も気づかないうちに、偏ったものの見方や歪んだ認知が形成されてしまうことです。自分が選んだテーマが、そういった名前で社会に認知されていることを結果的に知ったので、アンコンシャス・バイアスについての本を読んだり、専門とする大学の先生に話を聞きに行ったり、社内や周囲の人にヒアリングやアンケートを実施したりもしました。

森口:そうそう。アメリカにも行ったよね?

岡田:はい、演劇の勉強のためにアメリカへも行きましたね。「イマーシブ」というのが、今ニューヨークやブロードウェイですごく注目されている演劇の手法なんですけど、日本ではまだほとんどやられていなくて。それで森口の方から、『実際に見たことあるの?』って聞かれて、『ないです』と答えたら、『じゃあ行ってこい』って(笑)。帰国後は、ワークショップのプログラムの中に、本場アメリカで見てきた演劇の要素もちゃんと入れられるように、試行錯誤を繰り返していました。

森口:反応はよかったですよ。アンコンシャス・バイアスのテーマのウケが良かったかな。潜在的な部分の偏見だとか、無意識にやっている無礼な態度や行為とか、『そういったことを、アンコンシャス・バイアスと言うんだけど…』と説明したら、『そういうの、あるよね!』とすごく共感してもらえて。特に、男性の関心が高かった気がします。やっぱり、みんな多様性を重要だと思っていても、実は無意識のうちに、『多様性に反したことをやっているのでは…?』という危機感があるのかもしれないですね。

新たなサービスを開発するプレッシャーと、大きな可能性

岡田:まず演劇をプログラム化するという点において、当然ながら社内に先輩はいないわけです。すべて自分で調べて、作っていかなければいけない。しかも、それらプロジェクトを進めるための意思決定権はほぼ私にあって、いろいろなことが私の一存で決まるんですよね。社内・社外のたくさんの方からアドバイスをもらいましたが、最終的に進めていくのは私だったので、有り体に言うとすごくプレッシャーを感じていました。 

誰も教えてくれない、合ってるのかどうかもわからない、でも自分で全部決めないといけない、だって新しいサービスだから。予算ももらっているけれど、成功するかどうかわからないし、お客様のウケがいいかもわからないし…という不安が、積もり積もってプレッシャーになっていました。今、振り返っても、あの時は本当に大変だったと思います(笑)。

岡田:まず、具体的な形としてアウトプットして終えられたことに関しては、一定の自己評価をしてもいいかなと思っています。ゼロから形を作った点においては、70点ぐらいはあげてもいいかなと思うんです。

ただ、問題はそこから先じゃないですか。今、実際にワークショップを受けていただいたお客様にヒアリングをして、次の段階としてどうするかを考えているんです。でも、やっぱり、プロトタイプから進んで、次の商品として売っていくというフェーズに移行するのが次の壁で。難しいなと感じながら、日々悩んでいます。これからもプログラムを改善・修正しながら、このサービスを必要としてくださるお客様のために、最高の形でお届けできるように試行錯誤を続けていきたいと思います。

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