CASE STUDY

事業開発

東三河エリア一体で事業創出をめざすCLUEの挑戦

課題

東三河エリア一体となった新規事業の創出

bridgeがしたこと

異業種混合型インキュベーションプログラムの設計と推進

成果

役員承認を得て、実証実験(市場検証)へ進むチームが生まれる。

–  多くの企業ではイノベーションに関わる活動は社内で行いますが、武蔵精密工業では社内外問わずオープンで、地域全体でイノベーションを生みだそうとするアプローチは他社とは全然違うなと感じます。

地域の人々と出会いや、共創によって、武蔵のイノベーションもより進めていきたいという狙いでCLUEを作りました。シリコンバレーでのスタートアップのエコシステムや、イスラエルがそうであるように、外部との交流や融合がイノベーションの種を見つけるきっかけになることを期待しています。

東三河発のイノベーションで地域に貢献したい

 

CLUE設立にあたり、核となるのは東三河発で新規事業を生み出し続けたいという思いです。イントレプレナーやスタートアップ、学生など、イノベーションを起こしたい人誰にでも開かれた、新規事業を生み出す起点となりたいです。

昨年は主催共催合わせて54回イベントをやりました。中でも、毎月一回のピッチイベントでは、クルー の会員やスタートアップの方、企業の新規事業を担当されている方を招き、お話していただきました。毎月このようなイベントを通して色んな人の出会いもさらに加速させることができたと同時に、CLUEがやりたいことを理解してもらう機会にもなったかなと思ってます。
開催回数を重ねるにつれ、人が人を呼び、毎回はじめてましての参加者が2,3割入ってきてくれている感じです。そこで出会う方々もまさにオープンなマインドの方が多いので、イベント後の交流会も盛り上がっています。

新規事業を実現させるプログラム

–  そのような活動を進めつつ、今回、異業種混合でのインキュベーションプログラム「東三河イノベーターズゲート」を開催しましたが、どのような狙いがありますか?

<4ヶ月かけて事業仮説を磨き込む東三河イノベーターズゲート>

設立当初はピッチイベントやセミナーでのレクチャーがあれば新規事業に挑戦する人がもっと増えると思っていましたが、実際やってみてそうでもないと感じました。クルーの会員になってくれた起業家たちは会員メリットとしてクルーを日常的に利用できるという仕組みがあるのですが、なかなか利用頻度があがらず….。なのでやはり本格的なプログラムがないと新規事業に挑戦する人は増えず、新規事業を立ち上げることはできないのかな? と思い今回企画したという、ネガティブな意味での経緯もあります。
一方、ポジティブな意味だと、2年前の武蔵単体で実施したインキュベーションプログラムに私も参加し非常にいい経験ができ 、且つ当時4チームあった中で2チームが専任化され今も活動しているので、彼らのようなチーム生み出せたら、CLUEの目的が達成されるんじゃないかっていうことがあります。

–  やはり年間50回以上の様々なイベントで、みんなその瞬間にはいろいろと発想したり出会いがあっても、事業作りとなるとまた全然違う仕掛けがないと難しいのですね。

はい、あとはイノベーション を 起こす現場で実際に汗をかく人と経営陣とのギャップ、温度感もあります。具体的には、イノベーション活動にチャレンジしたいと思っていても、経営陣もしくは組織から協力を引き出せず、思い切った活動ができないってジレンマもよく聞いてました。
ですので、この取組みを通じて、個人と会社の想いがつながればいいなと。

社内起業家の可能性

–  実際に今回イノベーターズゲートを実施して、得られた成果や課題について教えてください。

イノベーターズゲート後も継続されるチームが生まれたことが何よりも成果だなと思います。人財が発掘され、新規事業部門への異動が決定するなど 経営陣による意思決定につながりました。また、人材育成の面ではアンケート結果の通り、オープンイノベーションやデザイン思考などのノウハウを学べたという感想や他社と連携する楽しさが学べた、視野が広がったというコメントがあり、教育としても非常に良かったなと思います。さらに、様々な企業が集まって開催するプログラムをこの豊橋でできたというのは一つ大きい実績であり、すぐに飲みに行ける距離にいる他社の仲間ができたことも大きな効果だと考えています。

一方で、いかに這いつくばってでもやりたい人を集め、参加メンバーの本気度を引き出せるかが課題ですね。二年前に自分も参加して感じましたが、個人が何をやりたいかも簡単には決められない中でチームを組み、ビジネステーマ決めるとなると中々難しく、意見の擦り合わせに時間がかかってしまいます。その時間のロスがプログラム設計上の課題だなと思い、何かいい方法がないか模索しています。また、イントレプレナーたちが新規事業にかける時間を確保できるような仕組みや環境整備など、アイデアの出口がより明確に見える仕掛け作りが必要かなと思っています。

–  そのあたりが社内起業家の難しいところではありますよね。日常の業務の中で、常に新規事業を意識して機会を探している人は稀です。自身の中に潜む課題意識や解決願望を急に意識化させるのが難しいということもあります。

武蔵でも、イノベーターズゲートの説明会に参加したものの応募しなかった人に、その理由を聞いてみると、今は本業を一生懸命やりたいというポジティブな声もありました。誇りを持って本業に取り組む若手がたくさんいることを嬉しく思うと同時に、彼らにも新規事業に挑戦させる仕掛けがまだまだ足りてないなということも感じます。

新規事業の手がかりを見つけられる場所

–  第二回開催に向けた課題や改善ポイントをお聞かせください。

課題はかなりはっきりしてきました。
今回は各企業によってプログラムに対する期待や送り出される人材の条件にばらつきがあったため、次回はまずはこのイノベーターズゲートの趣旨を経営陣に説明する場を持ち、教育ではなく、本当に事業化を目指すんだっていう部分を理解してもらうこと。また、メンバーの選抜に関してはCLUEが請け負い、公募の中から事前のワークショップでメンバーを選び、参加者の本気度や既に解決したい課題を持ってるかなどを見極めたいところですね。
企業内起業家には様々なリソースがあるので、色々なしがらみさえ外すことができたら、フリーのスタートアップや実業家に負けず劣らず、可能性があると思っています。企業や地域の連携のポテンシャルを引き出し、支援者や後援者などをどんどん巻き込んでより良い体制、環境づくりをしていきたいと思います。

 – 最後に、CLUEの展望についてお聞かせください。

イノベーターズゲートも一年に2回ずつぐらい開催し、そこで事業化したり資金を得たチームが常日頃からCLUEを利用してる状態が理想の姿です。イノベーターズゲート以外にも、女性起業家支援についても取り組み、そこを挑戦している方々にも同じくCLUEを利用していただき、 日々ディスカッションやピッチの練習が行なわれているとか、エンジェル投資家がふらっと覗きに来るとかそんな場所だったらいいなと思います。CLUEが「手がかり」っていう意味なので、新規事業の手がかりを見つけたい人がたくさん来てワイワイしている場所にしていきたいです。

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CLUE
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