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ビジネスチャットがキャズムを超えるための新たな事業戦略へ。 ──学習と実践を同時に推進するChatworkの取り組み

ビジネスチャットがキャズムを超えるための新たな事業戦略へ。 ──学習と実践を同時に推進するChatworkの取り組み

課題

顧客理解・業界理解の専門チームの立ち上げと育成

bridgeがしたこと

インタビューを通じた顧客経験理解の方法論を導入

成果

「ユーザー・業界有識者の約80名にインタビューを実施。
顧客理解の方法論が確立し、チームの育成にもつながった」

chatwork|事業戦略

Chatwork株式会社は、ビジネスチャットツール「Chatwork」事業を中心に展開し、2011年3月にサービスをリリースして以来、順調に導入企業数を伸ばしてきました。その一方で同社は、DXの大きなトレンドや2020年の急速なテレワーク普及などを受け、新たな局面を迎えています。

製品中心から、“顧客中心”のフェーズにシフト

これまではプロダクトの価値を中心として、先進層の方々に導入してもらえる市場環境だったといいます。しかし普及率の伸びとともに、新たな顧客層への対応が急務に。これまでの「ビジネスチャット利用前提」だった環境から、顧客・市場に対して「ビジネスチャットの必要性」を訴求できる能力が重要になったのです。

そこで誕生したのが「顧客理解・業界理解の専門チーム」。急成長中のベンチャーだからこそ、リサーチ、分析、戦略立案をスピーディー、かつ柔軟に進める力が求められます。そのため業務を外部へ代行させることは極めて困難。初めての取り組みに、社内は試行錯誤の連続だったといいます。

そこでbridgeでは、インタビューを通じた顧客経験理解の方法論導入と、内製化の支援を実施。今回はChatwork株式会社(ビジネス本部  クロスファンクションユニット)事業戦略部 マネージャーの小口 展永さんに、これまでの取り組みと得られた成果、手応えについて語っていただきました。

キャズムを超えていくために、顧客中心の事業戦略へ

Chatwork株式会社ビジネス本部 クロスファンクションユニット事業戦略部 マネージャー 小口 展永さん

-Chatwork事業は現在、どのような局面を迎えているのでしょうか?

小口さん(以下、小口):DX化のトレンドやコロナ禍に伴うテレワークの普及で、国内でのビジネスチャット利用は一気に加速しました。弊社の調査によると、現在の普及率は14.2%*ほどで、今後3年で普及の壁である「キャズム」を超える可能性が高いと予想しています。

ビジネスチャットは他ツールへの乗り換えコストが高いので、顧客の「最初のビジネスチャット」として選ばれることが今後のシェア獲得のうえで重要だと考えています。

転換点|キャズム

[引用元] 2021年12月期 第1四半期 Chatwork株式会社 決算説明資料 * 当社依頼による第三者機関調べ、n=30,000

小口:そこで弊社では、2024年までに「中小企業No.1 ビジネスチャット」を目指すという中期目標に向けた戦略を打ち立てています。そのうちの一つが「Horizontal x Vertical 戦略(セグメント戦略)」です。

これまでの初期市場に対しては、主にプロダクトを磨くことが導入数にもつながっていましたが、キャズムを超え「メインストリーム市場」へ移行するにあたっては、顧客中心の考え方が重要になります。

「Chatwork」はSaaSの形態ですが、特定業界向けではありません。コミュニケーションのあり方は業界ごとに変化するため、業界軸での顧客理解を深める必要がありました。

以前にいくつかの業界をそれぞれ研究し、顧客理解を深めようとしたことがありましたが、課題にぶつかります。当時は他社事例を参考に手探りで母集団を募り、インタビューを続けるわけですが、方法論の確立には至らなかったんです。

対象とした業界には詳しくなったものの、それは結果論としての話。他業界を同じレベルで理解するための実行プロセスはなく、業界構造を迅速に捉えるための再現性を持てずにいました。自分たちは的確にインタビューできているのだろうか、もっとも効率が良く効果的な方法を取れているのだろうか……。

そこで私たちは2021年の年明けから再現性の高いプロセス構築を志向する中で、インタビューのプロフェッショナルに助言をいただくことにしました。これがbridgeさんに依頼をするキッカケでした。

手法やフレームワークの学習、実践を並行して推進

chatwork|事業戦略

-外部コンサルタント(bridge)への依頼でどんな変化がありましたか?

小口:私たちが独自に進めていた時期は手探り、かつ状況整理も追い付かず、カオスな状態でした。それが一気に時間短縮され、顧客理解の方法論を仕組み化することもできました。bridgeの支援が入ってからは急ピッチで構造理解が進み、ユーザーや業界有識者の80名にインタビューもできました。

それまでは、

・どのプロセスで何回インタビューを実施すべきか?

・どのプロセスでどの情報が揃っていれば良いのか?

・どういう人にインタビューをしていけば効率的か?

を振り返ることもできず、初めての業務を進めることで精一杯だったんです。

さらに良かったのは、手法やフレームワークの学習と実践を、並行して進めるやり方を採用したことです。その結果、メンバーの成長と部門ミッションを同時進行で推進することができました。

役員報告の場では、ユーザーや業界有識者へのインタビュー、業界インプットを通した営業活動の様子が映っている動画を含めてプレゼンしました。経営陣からは「各業界の専門家が話しているかのようにお客様へ価値を伝えられていますね」というフィードバックをいただけています。チームメンバーの成長を伝える良い機会にもなりましたね。

– 外部の視点が入ることで、どのようなメリットがありましたか?

小口:2点ほど大きなメリットがありました。1つは「議論の次元」が上がったことです。これは非常に大きなメリットでした。社内だけですと、どうしても経験の幅が足らず、どんなことに焦点を当てて取り組めばよいのか等、議論がまとまらないこともありました。そこに外部の、しかもプロの意見をもらうことで議論の次元が変わったなと実感しました。

もう1つは「新鮮な視点」を得られたことです。入社して仕事に慣れてきた頃から、客観的な独自の見方ができなくなります。施策の議論をするにしても、アイデアの幅がどうしても狭くなるんですね。bridgeさんから「それは企業視点なので顧客視点に立ちましょう」とフィードバックをもらえる機会は貴重だなと感じましたね。

さらなるチーム連携を経て、組織的な成果創出を目指す

chatwork|事業戦略|小口さん

– 最後に、今後の展望を教えていただけますか?

小口:初期の研究開発(R&D)としては良いスタートが切れました。今後はR&Dの成果を波及させていくフェーズになるので、どれだけ経営にインパクトを出せるかを基準に進めていきたいですね。クロスファンクション(横断展開)で、組織を越えたチームワーク、連携していく関係性に重点を置きたいと考えています。

クロスファンクション

[引用元] 2021年12月期 第1四半期 Chatwork株式会社 決算説明資料

小口:これから顧客中心の思考が求められることを踏まえると、デザインシンキングなどを取り入れる必要性も出てくると思います。それもあって、少し早い段階からbridgeさんに伴走していただく形で学びを進めていました。

今後はさらに議論の土台となる共通言語・共通認識をもった上での意識統一、役割分担が求められると思うので、こちらもbridgeさんと一緒に作ったカスタマージャーニーを使いながら、チーム連携をしていきたいと思います。

ここから先は顧客理解をベースに、企業活動を加速させるタイミングがやってくるはずです。キャズムを超えるためにも、チャレンジしなくてはいけないところまで来ました。同時に、それを超えられる道筋が立っているのも面白いですよね。今後も継続的に学びを活かし、組織的な成果創出につなげていこうと思います。

 

>>bridgeでは2021年度も引き続き、Chatwork社の支援をしていきます。

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